トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2018/01/11

建設業の働き方改革 労務管理の実態把握へ

 国土交通省は、全国の建設業許可業者5万者を対象に労務管理の実態を調査する。建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを見据え、許可業者の労務管理の実態を調査。特に、企業が時間外労働を命じる際に労使で合意し、労働基準監督署に届け出る「三六(さぶろく)協定」の締結の有無、協定で定める労働時間の上限などを把握する。調査結果を分析し、働き方改革を啓発するセミナーや研修会を開催する。
 政府が昨年3月に策定した「働き方改革実行計画」で、建設業に時間外労働の罰則付上限規制を適用することが決まった。次期通常国会に提出される働き方改革関連法案が成立すれば、同法の施行後5年の猶予期間を経て、建設業にも時間外労働の上限規制が適用される。
 国交省は、上限規制の適用を契機に建設業の働き方改革を推進する方針。ただ、これまで時間外労働の上限規制の適用除外だった建設業については、厚生労働省も労務管理の実態を把握していない。国交省は、17年度補正予算案に3000万円を計上し、まず建設業の労務管理の実態を調査する。
 この調査で、国交省が重点的に調査するのは、労働基準法で規定する労働時間の上限(1日8時間・週40時間)を上回る場合、労使が締結する三六協定の現状。現在は、協定で時間外労働の上限を定めていても、特別条項を付帯すれば繁忙期などに上限を超える時間外労働が認められている。
 調査では、許可業者5万者を抽出し、この三六協定締結の現状をアンケート形式で調査。三六協定締結の有無の他、協定で規定する所定労働時間・対象労働者数・時間外労働の上限などの回答を求める。また、労使で協定を結んだ際のプロセス、協定の課題・問題点なども答えてもらう。
 回答した許可業者の資本金階層別に調査結果を整理し、建設業の協定締結の傾向や特徴を分析する。調査結果を踏まえ、建設業の長時間労働の是正や適正な労務管理を啓発するセミナーなども開催する。

提供:建通新聞社