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中央ニュース

2018/01/10

多能工の育成 中小建設企業に経費助成

 国土交通省は、建設現場の生産性を高める多能工の育成を支援する。17年度補正予算案と18年度当初予算案で総額9000万円を計上しており、中小・中堅建設企業でつくる企業グループや教育訓練機関などを対象に多能工の育成経費を助成する。支援対象となる先進性の高い取り組みで得られた成果を手引きにまとめ、多能工の育成手法を中小・中堅建設企業に幅広く周知する。
 多能工を現場に配置すると、工種の入れ替えで生じる手待ち時間や手戻りが少なくなり、全体工期を短縮する効果が期待できる。ただ、教育訓練のコスト負担が重かったり、育成手法が確立されていないため、多能工を配置する現場は限定的だ。
 国交省は、中堅技能人材の専門技能の幅を広げれば、中小・中堅建設企業の生産性を高める効果があると期待しており、多能工の育成支援に本腰を入れる。17年度補正予算案に3000万円、18年度当初予算案に6000万円の総額9000万円を確保し、先進性の高い取り組みを支援する。事業費の2分の1、上限300万円で経費を助成する考えだ。
 まず、17年度補正予算案に計上した3000万円で、多能工の教育訓練プログラムを作成する教育訓練機関や建設業団体などを支援する。VR(バーチャル・リアリティー)など、ICTを活用した教育訓練も支援対象とする考えだ。
 18年度当初予算案では、複数の中小・中堅建設企業が連携した多能工育成を支援する。多能工の育成・活用計画を策定した企業グループに対し、計画に基づく育成経費を助成する。支援の成果から多能工育成のポイントを手引きにまとめ、中小・中堅建設企業に多能工の育成手法を展開する。

提供:建通新聞社