東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は12月22日、東京2020大会の経費総額を最大で1兆6500億円とする「大会経費V2(バージョン2)」を発表した。コンディション&バリューエンジニアリング(CVE)や資材単価の精査など競技会場の仮設整備費の削減をはじめとしたハード・ソフト両面の見直しにより、昨年12月にまとめたV1と比較して1500億円削減した。組織委員会の予算は、国内スポンサー収入の増加などによってV1に比べて1000億円増加し総額6000億円となった。これにより、残る経費のうち6000億円を東京都、1500億円を国に負担するよう求める。ハード面(会場整備)では、組織委の仮設やエネルギーインフラなどを1100億円、東京都の恒久施設整備などを5950億円と見積もり、総額を7050億円としている。
組織委のまとめたV2によると、2020年大会の予算のうち会場整備に伴う費用は、都が建設する恒久施設を3450億円、仮設などを3150億円、エネルギーインフラを450億円と試算し、合計7050億円と見積もった。大会運営(ソフト)の予算は、輸送に500億円、セキュリティーに1000億円、オペレーションに1150億円、管理・広報に600億円など合計6450億円と試算した。この他に予備費1000億円〜3000億円を加え、開催費用の総額を1兆4500億円〜1兆6500億円とした。
このうち組織委がIOC負担金やスポンサー収入、チケット売り上げなどから6000億円(ハード1100億円、ソフト4900億円)を負担し、残る経費を都や国などが分担する。
組織では今後、さらなるコスト縮減と収入増に取り組み、大会経費の精査を進めていく。
提供:建通新聞社