国土交通省は、職業訓練の修了者に対して技術検定の受験要件を緩和することを決めた。同省が認定した職業訓練の受講期間を技術検定の受験要件である実務経験とみなし、訓練修了者の早期受験につなげる。高校卒業後、公共職業能力開発施設で2年以上の訓練を修了した場合、短大・高専(指定学科)の卒業者と同等に扱い、1級技術検定の実務経験を現在の11年6カ月から5年に短縮する。2018年度試験から適用する。
技術検定では、実務経験年数を積むことを受験要件(2級学科試験を除く)とし、指定学科以外を卒業した人の実務経験年数は、指定学科の卒業者よりも長く設定されている。
建設業の採用者の7〜8割は転職者が占め、その半数が他産業から転職している。工業高校の建設系学科の減少により、普通高校を卒業した入職者も増えている。転職者らの中には就職前・在職中に教育訓練機関を利用して技術を学ぶケースが多いことから、訓練期間を実務経験年数に算入し、受験要件を早期に満たすことができるようにする。
受験要件を緩和するのは、国交省が認定した職業訓練施設の修了者。国・県・市が設置する公共職業能力開発施設で2年以上の訓練を修了した高卒者は、短大・高専の指定学科卒と同等とみなし、5年の実務経験で1級技術検定、2年の実務経験で2級技術検定(実地試験)の受験を認める。
国交省は、これまでも43施設145訓練科を緩和対象と認定しており、新たに20施設32訓練科を追加認定した。
一方、公共職業能力開発施設や認定職業訓練施設で2年未満の普通教育訓練を修了した場合は、必要な実務経験年数から訓練期間を差し引くことを認める。例えば、指定学科以外の卒業者が1年の訓練を受けると、2級技術検定の実務経験年数を4年6カ月から3年6カ月に短縮できる。緩和対象となる職業訓練施設は55施設85訓練科となる。
国交省の認定を受けた教育訓練の修了者は、受験申し込みの際に各訓練機関が発行する修了証を添付すると、実務経験年数の緩和措置を受けることができる。
提供:建通新聞社