トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2017/12/18

多様な入札モデル事業で支援の方向性

 国土交通省は、地方自治体が発注する公共事業の入札契約方式の選定を支援する「多様な入札契約方式モデル事業」で、2017年度事業に対する支援の方向性を固めた。支援対象の4事業のうち、東京都板橋区の「小中学校等空調設備一斉更新事業」は、複数年度にわたる支出の平準化や地元企業の活用を念頭に入札契約方式を検討する。奈良県桜井市の庁舎建設、長野県上田市の庁舎改修・改築では、期限付きの地方債を活用するため、20年度中の完成が求められる。完成時期を意識した工程や入札契約方式の選定を支援する。
 モデル事業では、国交省の費用負担で派遣された建設コンサルタントが、各自治体が抱える課題に対応した入札契約方式の選定を支援する。学識経験者らでつくる「多様な入札契約方式モデル事業選定・推進委員会」に17年度事業の経過と今後の方向性を報告した。
 板橋区の空調設備一斉更新事業では、支出の平準化と地元企業の活用・育成に重点を置いて入札契約方式の選定を支援する。区は区内の小中学校・幼稚園など78施設の設備更新に事業費77億円を想定しており、初期段階の支出を複数年度に平準化したい考え。地元企業を活用し、地域産業の活性化や技術者育成につなげたい考えもある。
 さらに、10年スパンで訪れる更新事業の入札契約方式やスケジュールを示す「更新事業全体計画」も策定する見込みだ。
 桜井市と上田市の庁舎は、総務省の「公共施設等適正管理推進事業債」を活用するため、2020年度末までの完成が必須。桜井市の新庁舎は免震構造を採用する見込みで、免震構造の採用に必要な大臣認定の申請期間を踏まえて入札契約方式を選定する。長野県上田市の庁舎は、市役所業務を継続しながら改修・改築工事を行うため、厳しいスケジュールをクリアできる最適な入札契約方式を検討する。
 残る支援対象の徳島県と同県美波町は、南海トラフ巨大地震の発生を想定し、インフラの復旧・復興事業で採用する入札契約方式を定めた手引きをまとめる。発注者の体制補完、入札契約方式、施工確保対策(資機材の高騰に対応した積算、設計変更など)を手引きとしてまとめ、復旧・復興事業を円滑に実施できるようにする。

提供:建通新聞社