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2017/12/11

市場も視野に経営の在り方描く

 地域建設業のこれからの在り方を提示する「地域建設業の将来展望」の策定作業を進めている全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、5日に開いた協会内の「将来展望策定専門委員会」(委員長・一色眞人西松建設取締役専務執行役員土木事業本部長)の第2回目の会合で、将来展望の骨子案を示した。地域建設業を取り巻く現状を分析・把握し、地域建設業に求められる役割や今後の建設市場を考察、企業経営の在り方や建設業協会の役割などまで描き出す方向だ。2018年2月の第3回委員会で案をまとめ、4月の理事会で決定したい考え。
 将来展望は、全建が2018年に設立70周年を迎える節目に合わせて策定する。今回の骨子案は将来展望の構成や、盛り込む項目などを示したもの。
 構成は@序章(将来展望の目的・意義)A地域建設業を取り巻く現状B地域建設業に期待される役割C地域建設業の活躍が期待される建設市場のこれからD地域に求められ続ける地域建設産業であるためにE地域建設業を支える建設業協会の役割と今後の活動▽結び(将来展望のまとめ、期待)―の7章。
 『地域建設業に期待される役割』の章では、「地域に精通した建設プロフェッショナルとしての公的・社会的使命」や「従業員を育て、雇用を守り、生涯を託せる職場を提供する責務」「経済・社会活動による地域経済社会への貢献」などを打ち出す。
 また、『地域に求められ続ける地域建設業であるために』の章では、「地域をよく知る企業・職員の強みを最大限に発揮・活用」した災害対応や社会貢献の取り組みを示す。さらに、「経営体として確固たる事業経営を構築」し、競争力や生産効率を向上させるとともに、従業員や労働者に報い、大事にする経営体▽事業継続・危機管理体制の確立された経営体―になる姿を目標として描く。
 会議の冒頭、全建の伊藤淳専務理事は、将来展望の目的について「会員の経営の羅針盤にするほか、発注者や、インフラに関心を持つ地域の人に、建設業の正確な現状と、将来どう変化しようと考えているのかを伝えるビジョンにしたい」と述べた。
 骨子案に関して委員会のメンバーからは▽少子高齢化や人口減少が進む中で、生産性向上や働き方改革への取り組みは後戻りできない。ピンチをチャンスに変える視点が重要▽欧米諸国と比べて遅れている日本のインフラの整備水準の現状を説明し、必要なインフラや整備効果を示すべき▽災害対応や社会貢献に対する地元建設業者の情熱を盛り込んでほしい―などといった意見が出た。

提供:建通新聞社