国土交通省は12月7日に開いた自民党の国土交通部会関係合同会議に、政府の2017年度補正予算案に盛り込む主要事業を報告した。この中で、自然災害リスクが高い地域での緊急防災・減災対策を推進するとして、九州北部豪雨を踏まえた中小河川の緊急治水対策に予算を措置する方針を示した。中小建設企業の生産性を高めるため、新規入職人材の育成、中堅人材の技能水準向上、ICT施工の促進などを支援するとしている。
17年度補正予算案は「人づくり革命」「生産性革命」「防災・減災対策」などを柱に編成し、12月下旬に閣議決定する。
国交省はこの補正予算で、九州北部豪雨などで被害を受けた公共土木施設の災害復旧とともに、自然災害リスクが高い地域の防災・減災対策に予算を計上する。
同省は先月30日、九州北部豪雨を教訓に行った緊急点検の結果を踏まえ、今後3年で全国の中小河川整備に3700億円を投じる「中小河川緊急治水対策プロジェクト」を実施すると発表。補正予算案には、都道府県の防災・減災対策を総合的に支援する「防災・安全交付金」の予算を追加し、初年度分の事業費を補正予算案で手当てするとみられる。
都道府県の治水対策の支援とともに、直轄の河川・道路・港湾・空港・国営公園の防災・減災対策にも予算を配分する。
生産性革命に向けては、中小建設企業の支援策に予算を措置。新規入職した技能者に対する講習会の開催に加え、VR(バーチャル・リアリティー)を活用した教育訓練などで中堅人材の技能水準の向上を支援する。建設現場でICT施工を手掛ける中小建設業に対しても支援策を強化。AI(人工知能)で施工管理を高度化するための技術開発も行う。
この他、11月に閣議決定した明治記念大磯邸園(神奈川県大磯町)の整備、住宅購入者に対する「すまい給付金」にも予算を措置する。
提供:建通新聞社