国土交通省は11月24日、都市計画基本問題小委員会の都市施設ワーキンググループを開き、都市計画道路、立体道路制度、駐車場付置義務に関するWGの提言案を示した。このうち都市計画道路については、公共事業費が横ばいで推移する中で予算の集中投資が求められるとして、長期未着手路線を適切に見直す必要性を指摘。立体道路制度では、一般道路への適用拡大を図る方針を示した。
都市計画基本問題小委員会は、2016年度から都市計画制度の抜本的見直しについて議論しており、今年9月に設置したWGでは、都市計画道路、立体道路制度、駐車場付置義務をテーマに有識者の意見を聞いている。
WGの提言案では、計画延長6・4万`の都市計画道路のうち、3割の2・1万`に上る未着手路線の適切な見直しを求めた。都市計画道路については、これまでも廃止や幅員変更などの都市計画変更を行うよう地方自治体に求めているが、地域住民との合意形成がネックになり、見直しが進まないケースも多い。
提言案は、都市計画道路整備の「選択と集中」を実行するため、路線ごとに必要性を検証した上で都市計画道路を見直し、優先度の高い路線に重点的に投資することを求めている。
道路の上空を活用して道路・建築物を一体的に整備する立体道路制度は、都市再生緊急整備地域を除くと一般道路には適用できないが、地方都市でも制度適用のニーズが高まっている。提言案では、高度成長期に整備された市街地の更新に立体道路制度を適用し、地方の都市機能が高度化されるよう、一般道路への適用拡大を検討すべきとした。
一方、駐車場の付置義務は、都市内で一律に駐車台数を定めてしまうため、公共交通が発達した大都市で需要を超える駐車場が整備されることがある。駐車需要やまちづくり計画との整合性を踏まえ、付置義務に地域ルールを認める方向で検討する。
提供:建通新聞社