国土交通省が行った調査で、設計書金額の端数を切り下げて予定価格を設定する「端数処理」を行っている地方自治体が142団体(10月時点、速報値)だったことが分かった。2016年12月の前回調査時点から48団体が端数処理を取りやめたことになる。設計書金額を控除する歩切りについては、同省の指導により16年4月までに全自治体が廃止を決めている。
国交省は、慣例や自治体財政の健全化、公共事業費の削減などを目的に設計書金額を控除して予定価格を決める歩切りについて、予定価格の適切な設定を発注者責務と定める品確法に違反する行為だとして、廃止を指導。
15年1月時点で459団体が行っていた歩切りは、4度にわたる要請の結果、16年4月までに全自治体で廃止されている。
一方、予定価格の漏えいを防ぐために設計書金額に無作為の係数を乗じたり、事務を効率化するために設計書金額の端数を切り下げる端数処理については「合理的かつ少額ならばやむを得ない場合がある」として、国交省は廃止の積極的な指導は行っていない。
ただ、歩切りの廃止を指導する過程で、端数処理を行う自治体数も減少。15年1月時点で全自治体の16・6%に当たる297団体が端数処理を行っていたが、16年2月に252団体、16年12月に190団体へと減少。直近の今年11月時点では142団体となり、指導を開始した15年1月時点と比べると、端数処理を行っている自治体は半数以下に減少したことになる。
提供:建通新聞社