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2017/11/21

課徴金 証拠価値に応じ減免

 公正取引委員会は、11月20日に開かれた自民党・競争政策調査会に、課徴金制度見直しについて報告した。課徴金減免制度(リーニエンシー)を見直し、提出された証拠の価値に応じて課徴金の減免率を決めたり、現在は最大5社としている減免対象を撤廃するなど、談合・カルテルへの調査の協力の度合いに応じ、事業者がインセンティブを受けられる仕組みを導入する。
 課徴金制度については、「公取委の調査に対して十分な協力が得られない」「違反行為の実態に応じて適切な課徴金を課すことができない」といった課題があるとして、有識者でつくる「独占禁止法研究会」が今年4月に報告書をまとめ、見直しの方向性を示していた。
 リーニエンシーは、入札談合などに関与した事業者が自主的に調査に協力すると、課徴金の免除や減額を受けられる仕組み。課徴金の減免率は申請順位で固定され、調査協力の度合いは考慮されない。
 見直し後の減免率は、申請順位に加え、事業者が自主的に提出した証拠の価値を踏まえて確定する。証拠の価値を判断するためのガイドラインも整備する。現在は最大5社までに限定している減免措置の対象も全ての事業者に拡大する。調査開始から20営業日以内としている申請期限も延長する。調査妨害が行われた場合、課徴金を加算する仕組みも設ける。
 課徴金の業種別算定率は、全業種共通で大企業10%、中小企業4%に統一。大企業の販売子会社などは中小企業算定率の適用対象から除外する。
 公取委は、課徴金制度の見直しを柱に独占禁止法を改正する方針。今年6月に閣議決定した「未来投資戦略2017」では、次期通常国会への法案提出を視野に必要な措置を講じるとしている。

提供:建通新聞社