2016年度に契約した直轄工事の落札率(単純平均)が92%となり、前年度と比ベ0・78ポイント上昇したことが、国土交通省の調べで分かった。直轄工事の落札率は15年度に5年ぶりに低下したが、再びの上昇となった。16年度の契約件数は6・1%増、契約金額は18・1%増となり、1兆円を超える16年度2次補正予算の影響でいずれも増加した。11月14日に発表された「直轄工事等契約関係資料」に盛り込まれた。
直轄工事の落札率は、低入札価格調査基準の見直しや契約件数・契約金額の増減などに応じて変動する。策札率は、10年度の89・39%から4年連続で上昇していたが、15年度に5年ぶりに低下に転じていた。16年度は契約件数、契約金額が増加したことに加え、同年4月に低入札価格調査基準の現場管理費の算入率を80%から90%に引き上げていた。
16年度の直轄工事の落札率を部局別に見ると、地方整備局が1ポイント増の92・19%、地方整備局の港湾空港関係が0・71ポイント増の91・59%、北海道開発局が0・04ポイント増の92・47%、航空局・地方航空局・地方運輸局などが1・12ポイント減の87・77%だった。
国交省全体の工事契約実績は、工事件数が6・1%増の1万4567件、契約金額が18・1%増の1兆9446億円。16年度は上半期に当初予算の早期執行や熊本地震の復旧・復興に対する補正予算、下半期に1兆円規模の2次補正予算が執行され、契約件数・金額ともに実績が積み上がった。
入札不調件数(再発注手続きを行い、16年度中に契約した件数)は10・9%減の386件。入札辞退が1者以上あった工事は27・6%増の2927件、入札辞退者数は32・1%増の延べ7367者と大幅に増えた。
建設コンサルタント関係業務は、落札率が0・67ポイント増の83・31%に上昇。契約実績は、件数が1万4959件(0・3%増)、金額が3649億円(7・7%増)だった。
提供:建通新聞社