政府は11月14日、新国立競技場に関する関係閣僚会議を開き、2022年の供用開始を目指し、同競技場を球技専用へと東京五輪開催後に改修する方針を決めた。運営権を民間に売却する「コンセッション方式」を導入し、20年秋にも優先交渉権者を選定する。また、日本スポーツ振興センター(JSC)は同競技場の建設現場で、現場事務所の午後8時閉所を原則化するなど、作業員の健康管理体制を整備することを報告した。
19年度末までに完成する新国立競技場は、20年の東京五輪終了後にサッカーやラグビーなどの球技専用の競技場として改修する。陸上トラックを撤去して観客席を増設し、収益性を高める。フィールドの芝生は屋根の影響で日照が減少するため、張り替え方式(ビッグロール工法など)で、コンディションを確保する。
民間のノウハウを活用できるコンセッション方式の導入可能性を調査し、19年までに事業スキームを構築。事業者公募を経て20年秋にも優先交渉権者を選定する。22年後半以降の供用開始を目指す。
閣僚会議では、同競技場整備の進捗状況も確認。JSCは、現場に従事した技術者が自殺し、長時間労働による労働災害と認定されたことを受け、法令順守の徹底を前提とする健康管理体制を整備すると報告。現場内に健康相談室を設け、看護師を常駐させる。現場作業員向けの健康相談窓口も設置する。
また、現場事務所は原則として午後8時までに閉所し、下請け企業に作業員の入退場記録を提供してもらい、労働時間の適正な把握に努める。
提供:建通新聞社