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2017/11/14

働き方改革などで国交省と意見交換

 建設業の復業化や技術開発などに挑戦する地域建設業の経営者らで組織する建設トップランナー倶楽部幹事会(代表幹事・米田雅子慶応義塾大学特任教授)は11月6日、国土交通省幹部との意見交換会を同省内で開き、週休2日導入など働き方改革や、ICTによる生産性向上などについて話し合った=写真。トップランナー
 意見交換会の冒頭、あいさつに立った米田代表幹事は「地方の人口減少や高齢化、災害の多発など多くの課題がある中で、限られた財源と資源を使い、次世代に向けて健全な社会基盤を築くことが国交省と建設業の責務だ」と指摘、活発な意見交換を呼び掛けた。
 また、国交省の五道仁美大臣官房技術審議官が、生産性向上と働き方改革に関して「現場に新しい技術を取り入れていくことが必要だが企業によって温度差がある。現場での課題について具体的に意見交換したい」と述べた。
 さらに青木由行大臣官房建設流通政策審議官が働き方改革などの推進について「建設業の経営のセンスやマネジメントがますます重要になってくる」と強調。「これからの経営を一緒に考えていきたい」と話した。
 意見交換に当たり国交省側がまず、2018年度の概算要求の概要をはじめ、i―Constructionや働き方改革の取り組みなどについて説明した。
 建設業が直面する主な課題のうち週休2日の導入など働き方改革に関して幹事会からは▽発注者の主任監督員の意識改革▽発注時期の平準化▽書類作成の負担軽減▽民間の発注者の理解―などの必要を指摘する意見が相次いだ。また、完全週休2日制の導入によって新入社員が実際に増えたケースも伝えられた。
 一方、働き方改革が目的とする担い手の確保・育成に関しては、「単に給料と休みを増やすだけでいいのか。経営者が若者と向き合い、マネジメントを学んでいく必要がある」といった意見が出た。また、「文系と理系の学費の差を埋めるべき」とする声があった。さらに、地域に必要な建設会社と技術者・技能者の数に留意して公共事業の事業量を考えるべきとする指摘があった。
 技能者育成については、地域ごとに育成塾を設置する仕組みづくりを求める意見も出た。
 i―ConstructionのうちICTの導入に関しては、通常の施工の効率化の他、ドローンの活用など災害復旧の現場での有効性を指摘する意見があった。
 国交省側からは、働き方改革に関して、他産業との人材獲得競争に打ち勝てるように建設業の就業環境整備を積極的に支援していく方針が示された。また、工事発注時期の平準化など、地方議会の理解を含め地方自治体への働き掛けを推進する意向が述べられた。

提供:建通新聞社