国土交通省は11月8日、下半期のブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)を富山市でスタートさせ、出席した各県と担い手3法のさらなる浸透を図る申し合わせを行った。今回は、不正行為の防止に配慮しつつ、予定価格や低入札価格調査基準価格・最低制限価格の事前公表から事後公表への移行に取り組むことで一致。地方自治法施行令に従い、総合評価方式に調査基準価格を採用し、失格基準の併用などでダンピング対策の実効性を高めることも申し合わせた。
調査基準価格・最低制限価格を全案件で事前公表している都道府県は2団体、市町村は135団体(いずれも17年3月31日時点)ある。事前公表している都道府県のくじ引き落札の発生率は、事後公表の4・6倍と多い。国交省は、公正な競争環境を阻害するとして、以前から事後公表への移行を求めている。
ただ、事前公表を採用する地方自治体には、事後公表への移行が、予定価格漏えいなどの不正行為や、発注者に対する不当な働きかけを招くとの声も根強い。国交省は、入札書の提出後に予定価格を作成したり、積算業務と技術審査・評価業務の分離体制を確保するなど、不正防止に配慮した段階的な事後公表への移行を働き掛ける。
申し合わせではまた、総合評価に、自治法施行令で認めていない最低制限価格を導入する自治体があることを踏まえ、価格による失格基準を併用した調査基準価格を導入することでも合意。調査基準価格を下回る応札者の体制を厳しく評価する「施工体制確認型」など、実効性の高いダンピング対策を講じることでも一致した。
この他、建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを踏まえ、建設業の働き方改革に向けた取り組みを強化することも確認した。関係省庁連絡会議が8月にまとめた「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」の順守を速やかに準備する。
国交省は11月30日まで全国7都市で開くブロック監理課長等会議でも、参加する都道府県と申し合わせを行う方向で調整している。
提供:建通新聞社