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2017/11/08

直轄事業 再評価3〜5年に見直し

 国土交通省は11月7日、公共事業の事業評価の改善について有識者の意見を聞く「公共事業評価手法研究委員会」の2回目の会合を開き、現在は3年ごとと定めている直轄事業の再評価を2018年度から3〜5年ごとに見直す方針を示した。事業費に3年で変化が生じる事業は3割に満たないため、5年単位で再評価を実施することも認める。事後評価で、インフラのストック効果を見える化し、新規事業に反映させることも検討する。
 国交省は2010年度、直轄事業の再評価を実施する間隔を5年に1度から3年に1度に短縮。その結果、事業評価監視委員会の開催回数は年39回から53回に増加するとともに、委員会1回当たりの評価件数も平均5件から6・1件に増え、1件当たりの審議時間も短くなった。
 3年スパンの再評価で事業費が10%以上変化する事業は評価対象事業の23%。3年で事業費に変化がない事業も56%ある。事業期間の変化率を見ても、3年で事業期間の変化が10%未満だった事業は63%に上っている。
 このため、18年度に事業評価の運用手続きを見直し、再評価の実施間隔を3〜5年を目安に行うよう改める。3〜5年のタイミングでなくても、完成時期の変更、総事業費の大幅な変更があった際には再評価を行う。
 事後評価では、企業立地、物流効率化、観光振興、安全・安心の確保といったインフラ整備に伴うストック効果を見える化し、その知見を他事業に生かすことを検討する。事後評価で把握したストック効果を分かりやすく伝える事例集をまとめるとしている。
 また、新規事業採択時評価については、海外事例も参考に▽経済的価値▽文化的価値▽安全保障上の価値▽教育的価値―といった貨幣換算できない価値を評価する手法を継続的に検討する。

提供:建通新聞