「建設キャリアアップシステム運営協議会」の11月6日の総会で、日本建設業連合会(日建連)の村田誉之建設キャリアアップシステム推進本部長は、経営事項審査でシステムに登録した事業者に加点評価を与えるよう、国交省に要望した。公共工事で先行して普及を促す措置として求めたが、全国建設業協会(全建)の中筋豊通労働委員会委員長は「周知が徹底されていない。慎重に対処してほしい」と、現時点での加点に否定的な見解を示した。
日建連の村田本部長は、全ての技能者・事業者のシステム登録と全現場での就業履歴の蓄積という目標を達成するため、システム登録の数値目標を含めたロードマップを年内に策定すると表明。その上で、登録した元請けのインセンティブとなるよう「公共工事における利用強化策を検討してほしい」と述べ、国交省に経審で加点措置を講じことを要望した。
全建労働委員会の中筋委員長は、経審での加点措置に慎重な対応を求める一方、「元請けが現場管理業務の効率化を実感できることが重要」と指摘。システムを活用し、施工体制台帳や作業員名簿など、書類作成の効率化を図ることを求めた。
また、全国建設労働組合総連合の勝野圭司書記長は、これまでに全建総連が開いた説明会での反応として「若年層からはシステムを歓迎し、高く評価する声が多い」と紹介。運営主体の建設業振興基金では、利用料金の割引なども検討するとしており「一人親方や零細事業主の負担にならないように配慮してほしい」と述べた。
提供:建通新聞社