国土交通省はきょう9月28日から、建設業許可業者約2万5000者を対象に社会保険加入や賃金支払いに関する調査を開始する。社会保険加入対策が目標年次に当たることを踏まえ、実態を把握した上でこれまで5年間の対策を総括する。調査はウェブアンケート形式とし、無作為で抽出した許可業者に企業・労働者別の加入状況の他、法定福利費の支払い、雇用する技能労働者の賃金改定などについて回答を求める。企業規模・地域・発注者の属性ごとに分析し、今後の社会保険加入対策に反映させる。
無作為に抽出した許可業者約2万5000者に28日に調査依頼を送付し、ウェブ上で回答を求める。回答期限は10月20日。国交省は、今後の技能労働者の処遇改善につながる重要な調査だとして協力を呼び掛ける。15分程度の短時間で回答が可能だという。
調査では、規模、許可業種、主な下請け次数など回答企業の属性を聞いた上で、企業ベースの社会保険加入状況と直近の現場に従事させた技能労働者の労働者別の加入状況を回答してもらう。
賃金については、直近で受注した現場を特定し、直接雇用する技能労働者の日額賃金を尋ねる。2016年7月時点の賃金との変動率も回答してもらう。法定福利費については、標準見積書の額と実際に受け取った(支払った)額をそれぞれ聞く。
回答する現場については▽公共工事・民間工事▽元請け・下請け▽下請け次数▽規模▽地域(都道府県)―などの属性についても回答を求め、属性ごとに加入状況や賃金・法定福利費の支払い状況を分析する。
国交省は、建設業団体や有識者でつくる「建設業社会保険推進連絡協議会」の次回会合を年内に開き、調査結果を報告する見通し。調査結果を踏まえ、これまで5年間の対策の有効性を検証するとともに、実態に応じた新たな対策にもつなげる。
提供:建通新聞社