全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、10月に全国9地区で開く国土交通省との地域懇談会での提案議題を、9月21日に開催した理事会で決めた。事業量の地域間格差や事業量・利益率の企業間格差などの問題を背景に、「事業量の確保と経営の安定化」と「働き方改革、担い手確保」の二つのテーマを意見交換の柱に設定。新たに「地域ごとの中長期的な公共事業量の見通しの公表」や「工事完成届の提出時点での監理技術者の専任義務の解除」などを提案することにした。
「事業量の確保と経営の安定化」ではまず、安定的で持続的な事業量の確保と地域間格差の解消に向け、18年度予算の増額と17年度の大型補正を求める。また、地域ごとの中長期的な事業の見通しの公表によって地域建設業が経営戦略を持てるようにすべきと指摘する。
さらに、建設業者が減少している中山間地域などで、地域防災力の維持・向上のために行政と地域建設業団体が議論する場の設置を提案する。
また、建設業の適正利潤の確保に関して、設計労務単価の引き上げや設計歩掛の改善、最低制限価格と低入札価格調査基準価格の設定に際しての上限の撤廃などを求める。
一方、「働き方改革、担い手確保」のテーマでは、建設業での週休2日の普及を促進するため、賃金低下を回避に向けた設計労務単価のさらなる引き上げや、共通仮設費・現場管理費の割増率の実態に合わせた改善を提案する。
さらに生産性の向上を推進するi―Constructionに関して@小規模工事での有効性A先行投資への不安B熟練技術やオペレーターの能力低下の懸念―を課題に話し合う。
また、工事の平準化について、契約の平準化ではなく「現場実働の平準化」を求める。さらに、工事完成届を提出した時点での監理技術者の専任義務の解除を提案する。
時間外労働の上限規制に関して、自治体からの要請で時間外に行われる除雪業務について、災害復旧など同様、適用除外の特例扱いにすることを要望する。
提供:建通新聞社