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2017/09/22

全建が「働き方改革行動憲章」

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は9月21日、都道府県協会や会員企業が働き方改革を進める上での指針となる「働き方改革行動憲章」を決定した。近藤会長=写真=は、同日に開いた協議員会の冒頭で「改革のテンポの加速化により、地域建設産業が他産業との人材獲得競争に勝ち抜く必要がある」と述べ、建設業界が一丸となって長時間労働是正に取り組む意義を強調。行動憲章では、長時間労働や労働条件の悪化につながる短工期や低価格での受注を厳に行わないとことに加え、下請け企業の労働環境改善に元請けとして責任ある対応を行うと明記した。
 建設業に時間外労働の上限規制が5年の猶予期間を経て適用されることを受け、政府の関係省庁連絡会議は、長時間労働の要因となる工期設定の適正化に向けたガイドラインを決定した。
 全建も、都道府県協会と会員企業が行動憲章を最大限に尊重し、働き方改革に積極的に取り組む。10項目で構成する行動憲章では、まず経営者自らが働き方改革を主導し、長時間労働を助長する企業文化や男女の固定的な役割分担の意識改革を行う必要性を強調。生産性向上の課題と目標を従業員と共有し、手待ち時間の短縮や工程管理の工夫を進めるとした。
 長時間労働の抑制と年次有給休暇の取得するための環境も整備する。具体的には▽ノー残業デーの導入▽深夜残業の禁止▽週休2日制の普及▽統一土曜閉所▽在宅就業の活用▽年次有給休暇の計画的な付与―などに取り組むとしている。
 生産性向上が「適正な利潤の確保の上に成り立つ」とも記載し、適正価格・適正工期での受注も徹底する。工事従事者の賃金や労働条件の悪化などにつながる短工期や低価格での受注を厳に行わないことも明記した。
 行動憲章ではさらに、下請け企業や取引先の労働環境改善に配慮し、元請け企業として責任ある対応をとることを求めた。下請負契約を結ぶ際、必要な工期の確保、設計図書の精査、適切な現場管理とともに、法定福利費・安全経費の確保に努める。また、下請け企業に対し、雇用する技能労働者の処遇改善について必要な要請を行うとうたった。

提供:建通新聞社