国土交通省は8月18日、中央省庁の2018年度営繕計画書に対する意見書をまとめ、各省庁と財務省に送付した。計画書に盛り込まれた営繕事業費は前年度比23%増の総額3980億円で、国交省、防衛省、環境省の伸び率が高かった。意見書では、受注者が適正な利潤を確保できる適正な予定価格を設定することに加え、国庫債務負担行為を活用した適切な工期の設定も求めた。
中央省庁の営繕計画書に対する意見書は「官公庁施設の建設等に関する法律」に基づき、国交省が技術的見地からまとめ、各省庁と財務省に送付する。各省庁は、この意見書を踏まえ、次年度の概算要求に個別の営繕事業費を盛り込む。
省庁別の計画額は、防衛省が最大の1020億円(前年度比213%増)で、法務省の761億円(2%減)、国交省の494億円(83%増)、財務省の466億円(5%減)などが続いた。この他、環境省は前年度の18億円から535%増となる107億円、各省庁が予算を負担する合同庁舎は24%減の146億円だった。
意見書では、官庁施設を整備するに当たり、▽適正利潤の確保が可能となる予定価格の適正な設定▽計画的な発注▽適切な工期設定▽適切な設計変更▽発注者間の連携―など、品確法に位置付けられた発注者の責務を果たすよう各省庁に要請。社会資本整備審議会の官公庁施設部会がまとめた答申を踏まえ、適正な発注関係事務を実施するための「発注者の役割」を果たす必要性も指摘した。
また、官庁施設整備における木材利用を推進するため、CLT(直交集成板)などの新たな木質部材を活用することも求めた。
提供:建通新聞社