国土交通省は、2017年度の建設技術研究開発助成の新規課題として17技術を採択した。17年度の新規課題について、i−Construction推進コンソーシアムと連携した「3次元データ等を活用した新たな建設手法の開発」など五つの募集テーマを設定。応募があった39件の中から17件を選んだ。
建設技術研究開発助成では、国交省が建設分野の課題を解決する技術開発テーマを示し、テーマに沿った技術開発を行う民間企業・大学などに上限1000万円を助成する。助成期間は最長2年で、新規課題と継続課題を毎年度採択する。
17年度は、新規課題の募集をi−Construction関連の技術開発に限定。募集テーマは、産官学の関係者が集まるi−Construciton推進コンソーシアムでの議論を踏まえ、▽3次元データ等を活用した新たな建設手法の開発▽建設現場のヒト・モノをリアルタイムでつなぐ現場のIoT化技術▽建設ロボット技術等の開発▽効率性を大幅に向上させる維持管理・更新リサイクルに関する技術▽災害対応の高度化―とし、応募39件から17件の技術開発を選んだ。
合わせて、16年度に新規課題に選ばれ、17年度も引き続き助成する継続課題6件も選定している。
新規採択された17件は次の通り。
▽機械的/電磁的入力での弾性波とコンクリート中鋼材の電磁的応答を統合したPCグラウト非破壊評価手法の開発―大阪大学▽三次元計測と遺跡探査の利用による発掘調査の生産性向上―国立文化財機構奈良文化財研究所▽三次元データの円滑な流通に向けたオンライン型電子納品の構築―東京大学▽建設現場におけるスマートウェアを用いた安心・安全及び生産性向上IoTシステムの開発―立命館大学▽建設発生土の有効かつ適正利用推進のためのトレーサビリティシステムの開発―先端建設技術センター▽遠隔地からのリアルタイム計測・管理を実現する世界最小最軽量の高精度3次元レーザースキャナーシステムの開発―シナノケンシ▽非接触音響探査法による外壁調査の効率性向上に関する検討―桐蔭横浜大学▽低ライフサイクルコストを実現するインフラ向けCFRP引抜部材の設計・成形・施工法の開発および光ファイバを用いたモニタリング技術の開発―名古屋大学▽鋼橋の継手部に適応した高精度・自動制御加熱装置による防食塗膜剥離技術の開発―名古屋大学▽斜面対策施設の凍上被害に対する新たなモニタリングシステムの開発―北海学園大学▽AI技術を活用した橋梁劣化要因・健全性判定支援システム―日本海コンサルタント▽PC桁の健全性評価のためのPC鋼材緊張力の非破壊監視システムの開発―東京理科大学▽道路の日常点検のためのスクリーニング計測システムの開発とそのデータ分析手法の構築―山梨大学▽都市防災への活用を目的とした建築物の瞬時被害把握システムの開発―広島大学▽リアルタイム下水道水位・流量モニタリングに基づく内水氾濫危険度評価モデルの開発―東京理科大学▽衛星監視カメラによる広域土砂動態監視手法の開発―アジア航測▽標定点無しの高精度測量を可能にするドローン測量技術の開発―岡山大学
提供:建通新聞社