国土交通省は8月9日、主任技術者・監理技術者の現場専任の解釈を明確化する通知を公共工事の発注担当部局、建設業団体、建設業許可行政庁に送付した。通知では、技術者の専任が他の現場との「兼任」を認めないもので、現場に常時滞在することを求める「常駐」と異なることを明確化。発注者の了解を得ることを前提に、技術者が技術研さんのために研修、講習、試験などで現場を短期間離れることは差し支えないとの見解を示した。
建設業法では、請負金額が3500万円以上(建築一式は7000万円以上)の公共性のある施設などで、主任技術者・監理技術者を専任することを求めている。
ただ、標準約款で現場に常時滞在する「常駐」を求めている現場代理人と違い、主任技術者・監理技術者の専任は他の現場との「兼務」を認めないのが趣旨。この専任の解釈について、元請け・下請けの間に誤解があったり、一部の発注者が過度な運用を求める傾向があるとして、建設業法上の解釈を改めて周知する。
通知では、主任技術者・監理技術者が現場を短期間離れる条件として、発注者や元請け・上位下請けの了解を得るとともに、適切な施工ができる体制を確保することを要請。適切な施工体制を確保する具体例として、必要な資格を持つ代理の技術者を配置したり、現場を離れた際の連絡体制を整えることを挙げた。
国交省は、技術者が常に最新技術を身に付けるため、継続的に技術研さんを行う必要があるとしている。あくまでも発注者の了解や施工体制を確保することが前提であるとは言え、専任の技術者が研修、講習、試験などを受けるために短期間現場を離れることは差し支えないとの見解を示している。
提供:建通新聞社