建設経済研究所と経済調査会は、2017年度の建設投資(名目値)が前年度比1・2%増の53兆1100億円になるとの見通しを明らかにした。民間非住宅の投資額に1兆0500円を上積みするなど、4月時点の見通しから1兆4600億円を上方修正した。18年度は民間住宅で消費増税に伴う駆け込み需要が見込まれるものの、1%減の51兆0200億円とわずかに減少する見通しを示している。
17年度の建設投資は、1・2%増の53兆1100億円となる見込みで、03年度以来の高い水準。 17年度の政府建設投資は3・3%増の21兆7800億円と推計。17年度当初予算の公共事業費は前年度と横ばいだが、16年度第2次補正予算が17年度に一部出来高として実現するとみている。補正予算などによる投資額の追加を反映していないため、18年度の投資額は9・9%減の19兆6200億円と減少する見通しを示している。
17年度の住宅着工戸数は1・3%減の96万2000戸になる見通し。住宅ローン金利が低い状態が続いており、持家が0・8%増の29万4000戸、分譲住宅が0・8%減の24万7000戸と好調を維持する。貸家は相続税の節税対策が息切れし、3%減の41万4000戸と減少に転じる。
18年度の住宅着工は、前年度と同じ96万2000戸になるとみている。19年10月の消費増税を見据え、持ち家、分譲住宅が伸びる見通しを示している。
17年度の民間非住宅投資は、設備投資や個人消費の持ち直しを背景に1・4%増の15兆9200億円と予測している。用途別では、事務所が首都圏を中心に大型物件の供給が見込まれており、着工床面積が13・7%増の660万平方bと大きな伸び。老朽化設備の更新や生産合理化などのプラス要因を背景に、工場の着工床面積も10・3%増の900万平方bと大幅に伸びる。18年度の民間非住宅建設投資も0・2%減の15兆8900億円と高い水準で推移するとみている。
提供:建通新聞社