建設コンサルタンツ協会(建コン協、村田和夫会長)は、「建設コンサルタント登録制度」を公共事業に伴う業務委託先を決定する際の競争参加資格要件などとして活用するよう全国の地方公共団体に要請する。登録企業の概要(規模・技術者数)、受注実績、技術的能力などの企業情報が分かる登録制度は、競争参加資格審査の際の現況報告書としても活用できることなどを説明したリーフレットも作成。全国の地方公共団体に発送し、同制度活用への理解を求めていく。
建設コンサルタント登録制度は、21ある登録部門の全部または一部について、建設コンサルタントを営む企業が一定の要件を満たした場合、国土交通大臣の登録を受けることができる制度。登録部門に専任の技術管理者を配置し、財産的基礎または金銭的信用(資本金500万円以上自己資本1000万円以上)を有することが登録要件となっている。
2016年3月末時点の登録企業数は全国で3934社。08年度以降、同年度までは同程度の登録企業数で推移している。
ただ、建コン協が都道府県と政令指定都市を対象に同時点での建設コンサルタント登録制度の活用状況を調査したところ、都道府県の70%、政令指定都市の79%にとどまり、指名参加の必須条件としている団体は、全体の3割程度しかなかった。
活用状況を詳しく見てみると、「指名(競争)参加(資格者名簿)の登載要件」にしている都道府県が11で、政令指定都市が6だった。「指名(競争)参加(資格者)名簿への登載審査項目」にしている都道府県が12。政令指定都市は3。
最も多く活用されていたのは「価格競争入札企業選定」で、都道府県では21団体、政令指定都市は11団体が活用していた。「プロポーザル方式・総合評価落札方式の加点要素」としていた団体は、都道府県が5、政令指定都市では皆無だった。
建コン協は「業務発注に際しての企業評価はもちろんのこと、発注者が企業概要を把握する場合にも十分活用できる」と話しており、地方公共団体に建コン登録が競争参加資格者のスクリーニングとしても活用できることに気付いてもらうことで、行動目標の一つとしている「技術力による選定」の拡大につなげていきたい考えだ。
提供:建通新聞社