国土交通省は7月18日、福岡県からの要請に応じ、九州北部の豪雨で発生した土砂・流木の除去に国の権限代行制度を適用することを決めた。6月の改正河川法の施行で創設された権限代行制度を初めて適用し、県管理の筑後川水系赤谷川・大山川・乙石川で緊急的に土砂・流木を除去し、河道を確保する。
河川法に基づく権限代行制度は、都道府県からの要請に応じ、高度な技術力が求められる災害復旧工事やダムの再開発工事などを国が代行して実施する。5月に成立した改正河川法により、道路や下水道に続き、河川分野でも制度が整えられた。
6月30日からの梅雨前線に伴う大雨と台風第3号により、筑後川水系の赤谷川・大山川・乙石川(いずれも福岡県朝倉市)には、上流の山腹崩壊による大量の土砂・流木が流れ込み、河道がふさがった状況にある。
河川管理者である福岡県は、堆積した土砂の流動性が高く、出水時に2次災害が起きる可能性があるため除去工事が必要だとして、権限代行で速やかに緊急対応することを国交省に要請した。
提供:建通新聞社