国土交通省と中小企業庁は7月14日、全国の建設業許可業者約1万4000者に「下請取引等実態調査」の調査票を送付した。調査は建設工事の下請け取引を適正化するために毎年度行っているもの。今回は、元請け・下請け間の出来高払いの状況、元請けからの法定福利費の支払い状況などの設問を追加している。調査の対象者には、8月18日までに調査票を返信するよう求めている。
無作為で抽出した大臣許可業者約1700者、知事許可業者約1万2300者に、元請け・下請け、発注者・元請け間の取引実態を聞く。回答を求めるのは、2016年7月1日〜17年6月30日の取引の状況。今回は、調査対象の許可業者が回答しやすいよう、前年度に100件あった調査項目を74件に集約。調査票の送付から回答の締め切りまでの期間も2週間程度延長した。
追加したのは、下請け契約での出来高払いに関する設問。元請けに対し、下請けに出来高払いを行っているか、出来高払いを行っている場合に何割を支払っているか、残余金の支払い時期などを調査する。
元請けと下請けが公共工事設計労務単価の上昇時に請負代金の変更交渉を行ったか、下請け契約に社会保険料の個人負担分が盛り込まれているか、といった設問も追加した。
社会保険加入対策の関連では、現場における元請けの加入指導の状況も調査。元請けが1次下請けに対する見積もり依頼書に、未加入業者と再下請負契約を結ばないとの条件を明記しているか尋ねる。
同省は12月までに調査結果をまとめ、公表するとしている。
提供:建通新聞社