環境省は、大気中のアスベスト濃度を測定する際の技術指針「アスベストモニタリングマニュアル」を改訂した。解体現場などからのアスベスト(石綿)の漏えいの有無を確認するための迅速な測定方法に「位相差・偏光顕微鏡法」などを位置付け、その活用を促した。
今回の改訂では、「発生源近傍及び集じん・排気装置排出口等における漏えい監視・管理のための測定方法」に、大気中のアスベスト濃度を迅速に測定する方法として、位相差・偏光顕微鏡法と位相差・蛍光顕微鏡法を新たに位置付けた。また、これに加え、粉じん相対濃度計、パーティクルカウンター、繊維状粒子自動測定器による「リアルタイム測定」も位置けた。
アスベストを含んだ製品の製造が禁止されている現在は、建築物の解体現場がアスベスト粉じんの主な発生源となっている。
ただ、解体現場によっては数時間程度で解体作業が終わってしまう場合もあることから、アスベストの飛散を防止するには「迅速な測定が必要」との指摘が調査・分析会社などからもあった。
2010年6月に行った改訂では、建築物などの解体現場がこれからのアスベスト粉じんの主たる発生源となると考えられたことから、それまでのクリソタイルを中心とした従来の測定方法を見直し、位相差顕微鏡法で総繊維の計数を行り、比較的濃度が高い場合には分析走査電子顕微鏡法(A―SEM法)で確認することとされていた。
提供:建通新聞社