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中央ニュース

2017/07/12

国交省が『新下水道ビジョン加速戦略』

 国土交通省は、下水道分野で集中的に実施する施策を「新下水道ビジョン加速戦略案」としてまとめた。2014年度に策定した新下水道ビジョンの中から、今後5年をめどに実現する八つの重点項目を抽出。老朽化した管路施設の点検・診断、修繕・改築に関するガイドラインや基準を策定し「マネジメントサイクルの確立」を図るとした。また、地方自治体の共同発注と小規模企業によるJV受注などで、下水道産業を育成する方針も示した。
 人口減少に伴う下水道料金の減少、執行体制の脆弱(ぜいじゃく)化、施設の老朽化など、14年7月に策定した新下水道ビジョンで指摘された課題は深刻度を増しており、加速戦略で施策の集中と選択を図り、課題の克服を急ぐ。
 重点項目とされたのは▽官民連携の推進▽下水道の活用による付加価値の向上▽汚水処理システムの最適化▽マネジメントサイクルの確立▽水インフラ輸出の促進▽防災・減災の推進▽ニーズに適合した下水道産業の育成▽国民への発信―の8項目。
 このうち、マネジメントサイクルの確立では、維持管理情報のデータベース化を提案。全ての地自治体に対し、DBを修繕・改築に活用する新たなマネジメントサイクルの構築を標準化する。5年に1度の点検・診断、修繕・改築に関する定量的な基準やガイドラインも整備する。
 点検・診断、修繕・改築の信頼性を確保するため、下水道管路管理主任技士、下水道管路管理専門技士、下水道管路更生技士などの民間資格を活用。維持管理業者とコンサルタント会社のJVに対する包括的民間委託を進め、マネジメントサイクルを担う事業者の業種間連携を促進する。
 下水道産業の育成にも力を入れる。共同発注による広域化で発注側の事業規模を拡大するとともに、包括的民間委託、コンセッションなどを受託するSPC(特定目的会社)に中小企業が参画できる仕組みを構築する。
 同省は7月11日からパブリックコメントを行った上で、8月中旬にも
加速戦略を最終決定する予定だ。

提供:建通新聞社