四国新幹線の早期具体化を目指す「四国新幹線整備促進期成会」が7月6日に発足した。同日、東京決起大会を千代田区大手町の経団連会館で開き、同新幹線の整備計画路線への格上げに向けた国の予算措置などを要望する決議を採択した。政官財の関係者や地元自治体の首長など約600人が参加した。
決起大会に先立って同期成会の設立総会が開かれ、会長に千葉昭四国経済連合会会長を選出した。また、関係機関への要望活動や、経済波及効果の調査の実施などを盛り込んだ2017年度の事業計画を決めた。
決起大会の冒頭、あいさつに立った千葉会長は、国の17年度予算に、基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワークの在り方などに関する調査費が計上されたことを評価する一方、「新幹線に対する四国の熱い思いはまだ十分に伝わっていない」と指摘。「国と国民の理解と支援を得るため、四国の思いを一つにまとめて訴えていくことが重要だ」と参加者に呼び掛けた。また、自民党四国ブロック両院議員会会長で衆院議員の村上誠一郎氏が「10年以内にめどが付くよう死に物狂いでがんばっていく」と述べた。
同日採択した決議文では、「昨年3月、北海道から九州までが新幹線でつながり、ついに四国は全国で唯一、新幹線の具体的計画のない地域として取り残された」と指摘。「地方創生に取り組む他地域との競争に大きく遅れを取っている」と懸念を示し、国の「地方創生回廊」の実現には「全国各エリアに新幹線が整備されることが不可欠」と主張。四国新幹線は「地域づくりに不可欠なインフラ」であるだけでなく、「西日本の広域交流圏形成、国土軸のリダンダンシー確保による災害耐力の向上」などにも寄与すると強調した。
要望事項には、四国新幹線の整備計画路線への格上げに向けた調査に必要な18年度の予算措置▽「地方創生回廊」の実現のための新幹線予算の大幅増額―を掲げた。
期成会は同日、国土交通省と財務省、自民党に対して要望活動を行った。
提供:建通新聞社