国土交通省と総務省は、社会保険加入や働き方改革を通じた建設業の処遇改善を求める通知を都道府県・政令市に送った。地方自治体が発注する公共工事で、下請けを含めて施工に携わる全ての企業を社会保険加入業者に限定することに加え、法定福利費の事業主負担分を適切に予定価格に反映するよう求めた。技能労働者の休日を確保するため、適正な工期を設定することも要請した。
入札契約適正化法に基づき、国交省土地・建設産業局長と総務省自治行政局長の連名で15日に通知した。都道府県に対しては、管内の市町村への周知も求めている。
国交省は、目標期限である17年度以降も、引き続き建設業の社会保険未加入対策を推進する。特に国交省が力を入れているのが、自治体発注工事における対策の強化だ。
直轄工事の未加入対策では、元請けへのペナルティーの対象を1次下請けから2次以下の全ての下請けに拡大する。10月以降、2次以下の下請けが未加入だった場合、猶予期間を与えた上で、元請けに制裁金・指名停止・工事成績減点のペナルティーを与える。
国交省は、5月29日に都道府県の発注部局や建設業許可部局の担当課長を集め「社会保険加入対策に関する都道府県監理課長等会議」を初めて開き、自治体発注工事でも対策を強化するよう求めていた。改めて通知を送ることで、対策の周知と徹底を図る。
通知ではこの他、法定福利費の事業主負担分を予定価格の現場管理費に計上していない市町村があるとの声を踏まえ、予定価格に法定福利費を適切に計上することを要請。また、建設業の担い手確保には、賃金水準と休日の確保も欠かせないとして、適正価格と適正工期での契約も合わせて要請している。
提供:建通新聞社