国土交通省は、建設現場における労働災害を未然に防ぐため、実際には事故に至らなかった『ヒヤリ・ハット』の事例集をまとめた。鉄筋、型枠、とび、屋根、内装仕上げの5業種で、ヒヤリハットの代表事例とデータベース、危険防止策を整理した。吉本興業グループのお笑い芸人が出演する安全教育の動画も作成し、同省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_005547.html)で公開している。
1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故、300件のヒヤリ・ハット事例があるという『ハインリッヒの法則』を引き合いに、ヒヤリ・ハット事例の共有による労働災害の撲滅を目指す。
対象業種別に専門工事業団体などから収集した事例、データベース、収集した事例の分析の他、実際に起きたヒヤリ・ハット事例を踏まえた危険防止策を提示。例えば鉄筋工事業では「スラブ上歩行時は足元に注意」「強風による倒壊・落下に注意」「クレーンの操作は細心の注意を払う」「差し筋をまたぐ際に注意」「トラックでの資材運搬時に注意」とした『ヒヤリ・ハット5箇条』を示している。
提供:建通新聞社