国土交通省は5月22日、建設生産・管理システムにおける発注者の在り方を検討する「今後の発注者のあり方に関する基本問題検討部会」の初会合を開いた。直轄工事における企業評価・技術者評価、入札契約制度、監督・検査などをテーマに、有識者が制度改善について集中的に議論する。6〜7月に建設業団体にヒアリングを行って課題を抽出し、10月をめどに制度改善の方向性を提言してもらう。
部会は「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に設置されたもので、10月まで各テーマについて議論を深め、制度改善の方向性を懇談会に示す。
企業評価・技術者評価では、競争参加資格審査で上位等級に昇級した際のインセンティブが低下しているといった指摘を踏まえ、改善の方向性を探る。初会合で有識者からは「(等級区分を)国・都道府県・市町村がブロック単位で統合してはどうか」「ICT化に積極的に取り組む企業が評価されるランク付けをすべきではないか」といった意見が挙がった。
総合評価方式については、入札参加者間で応札価格と技術評価点の差が縮小する中で、評価方法の改善点を検討する。また、直轄の維持修繕工事で1者応札が全体の3割に上っており、入札不調・不落のリスクを低下させる必要もある。
この他、国交省が監督・検査にICT技術や映像記録を導入し、効率化を図る考えを示したことに対し有識者からは「効率性だけでなく、監督職員の育成という視点を持つべきだ」といった声も上がった。
提供:建通新聞社