国土交通省などの関係省庁でつくる「コンパクトシティ形成支援チーム」は、都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画を作成した市町村の中から『コンパクト+ネットワーク』のモデル都市10市を選んだ。人口減少が進む他の市町村がコンパクトシティ化を図る際の好事例として、全国に水平展開する。
モデル都市に選ばれたのは▽青森県弘前市▽山形県鶴岡市▽新潟県見附市▽金沢市▽岐阜市▽大阪府大東市▽和歌山市▽山口県周南市▽福岡県飯塚市▽熊本市―の10市。いずれも、今後の人口減少を見据え、中心市街地への居住の誘導や公共交通機関の充実を図る立地適正化計画を策定している。
弘前市では、年間20億円に上ることもある除雪費を削減するため、融雪施設を重点的に整備した居住誘導区域の人口を25%増加させる目標を掲げている。居住誘導区域をバス路線の沿線に配置することで、公共交通の経営安定化も図る。
岐阜市は、幹線バス路線の沿線に設ける居住誘導区域に3万3000人を流入させ、将来的な人口密度を維持。中心部に居住を誘導させる4プロジェクトで1100戸を供給する他、住宅購入で上限50万円、賃貸で上限24万円の補助金も交付する。大東市は、鉄道駅周辺で子育て世代の定住を図り、25〜44歳の女性就業者を約1300人増加させる。経済効果は約100億円を見込んでいるという。
立地適正化計画制度は、人口減少と高齢化に対応したコンパクトシティ化を図るため、居住機能や都市機能の立地、公共交通のネットワーク化に関する計画を作成した市町村に、税制・財政上の支援措置を講じるもの。3月末時点で348都市が計画を策定済みか、計画の策定を検討している。
提供:建通新聞社