厚生労働省は、2016年の労働災害発生状況(確定値)をまとめた。建設業での死亡災害(被災者)は294人となり、前年より33人(10・1%)減少。死傷災害は1万5058人で前年より526人(3・4%)減少し、いずれも2年連続で過去最少となった。事故の型別では、死亡・死傷災害ともに「墜落・転落」が最も多くなっているものの、いずれも減少傾向にあることが確認された。同省は建設業の工事出来高がおおむね堅調に推移した状況にあってなお、労災の発生が減少したのは「15年に労働安全衛生規則を改正し、足場からの墜落防止措置の強化を図ったことが要因の一つになっている」(安全衛生部安全課)とみており、引き続き墜落・転落災害の防止を重点に労災防止の取り組みを推進していく考えだ。
死傷災害の発生状況を事故の型別に見ると、「墜落・転落」が5184人で最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」1585人、「転倒」1512人、「飛来・落下」1457人、「切れ・こすれ」1422人―の順に多かった。
建設業の死傷災害を被災者の年齢別に見てみると、60歳以上が3823人で最も多かった。以下、40〜49歳が3160人、50〜59歳が2715人、30〜39歳が2642人、20〜29歳が2258人、19歳以下が460人の順に被災者が多かった。
提供:建通新聞社