国土交通省をはじめとする各省庁は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に規定された「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」に基づく2017年度からの当面のスケジュールを公表した。このうち国土交通省は、16年度に引き続き▽一般土木工事A等級▽建築工事A等級▽港湾土木工事A等級(WTO政府調達協定対象事業)などのうち一部の工事を対象に、技術提案を求める参加者をあらかじめ絞り込む段階的選抜方式を実施する工事の一部で、女性の活躍を推進する競争参加資格者にインセンティブを付与する公共調達と補助金の活用を行う。物品役務については、17年度から全面的に積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を講じる。
国交省は17年度に発注する▽一般土木工事A等級▽建築工事A等級▽港湾土木工事A等級(WTO政府調達協定対象事業)などの事業規模を、15年度実績から約3200億円程度になると見込んでいるが、17年度はこのうち一部の事業で指針に基づく取り組みを実施する。
18年度からは競争参加資格を有する企業の認定取得状況などを見た上で、▽一般土木工事A等級▽建築工事A等級▽港湾土木工事A等級(WTO政府調達協定対象事業)などを対象に段階選抜方式で、女性の活躍を推進する競争参加資格者にインセンティブを付与する調達手法を導入。それ以外の工事(15年度実績約1兆6700億円)については、競争参加資格を有する企業の女性活躍推進法に基づく認定の取得状況や、競争参加資格を有する企業の16年度以降の取り組み状況を踏まえて検討する。
一方、国交省に次いで社会資本整備に関わる公共調達の事業規模が大きい農林水産省も「指針」に基づいた女性の活躍を推進する競争参加資格者へのインセンティブ付与を拡充する。
17年度からは競争参加資格を有する企業の認定取得状況などを考慮しつつ、地方農政局が発注する公共工事(WTO政府調達協定対象事業)などの一部の工事を対象に、ワークライフバランス(WLB)などを推進する企業を評価する取り組みを実施。18年度からは競争参加資格を有する企業の認定取得状況などを見た上で、WTO政府調達協定対象事業を対象として「指針」に基づく取り組みを導入する。
<ひとくちメモ>
内閣府の男女共同参画推進本部が14年8月に策定した「取組指針」では、総合評価落札方式などによる公共調達で、男女共同参画に取り組む企業を評価する項目を設定したり、指名競争入札による調達を行う際には、指名基準に該当する企業の中に男女共同参画に取り組む企業がある場合は指名に含めるなど、受注機会を増やすこととしている。
補助金についても同様に、女性の活躍推進を直接の目的とするものや、女性の活躍に資する環境整備を対象とするものを設けることを促している。
提供:建通新聞社