「建設業で働く人の処遇改善は端緒に就いたばかり。若い人に建設業に顔を向けてもらうよう努力していきたい」―。4月28日にあった日本建設業連合会(日建連)の定時総会と理事会で同会の新会長に決まった山内隆司氏(大成建設代表取締役会長)は、総会後の記者会見でそう述べ、週休2日を中心とする建設業の就業環境の改善と担い手の確保に全力で取り組んでいく方針を強調した。
山内会長は建設業の就業環境対策に関して、国土交通省が建設業の働き方改革や処遇改善に向けた施策を推進していることを評価。「官民一体でまい進していきたい」と話した。
同日の記者会見には、同会の建築本部長に新たに選出された押味至一氏(鹿島代表取締役社長)と、土木本部長に留任した宮本洋一氏(清水建設代表取締役会長)、会長を退任した中村満義氏(鹿島代表取締役会長)も列席した。
押味建築本部長は、建設業の処遇改善の民間工事への拡大に関して「工期などの要求に応えていく上で「生産性を上げないと対応できない」と指摘した。そして、「業界の発展には担い手確保が不可欠」だとし、協力会社などと十分に話し合っていく意向を示した。
宮本土木本部長は建設業の当面している課題について「週休2日を実現するためにも、担い手の確保と生産性の向上に尽きる」と指摘。これを軸に国交省との意見交換やフォローアップに取り組んでいく方針を述べた。
中村前会長は今後の日建連の活動に関して「建設業が全ての国民に信頼され、頼りがいのある存在となるようまい進してほしい」と山内会長らに呼び掛けた。
提供:建通新聞社