国土交通省は、直轄の調査・設計業務の成績評定要領を2017年度に改定する。改定案によると、従来のゼロからの積み上げ方式を見直し、受注者が当然果たすべき事項を「基礎点」として整理することで、採点項目を削減。各業務の特殊性や制約条件への対応を評価する「業務特性」の項目を新設する他、採点のばらつきを抑える目的で、採点者用の評価基準もつくる。17年度下半期に要領を改定し、18年度以降に完了する業務から新たな要領を適用する。
改定する「委託業務等成績評定要領」は、直轄事業の地質調査・測量・土木設計の各業務が対象。現行の要領は、ゼロから評定点を積み上げるため、評価項目が膨大で、採点者の負担が大きいことが課題になっている。
このため、改定案では、履行期間内に成果物を納めた業務で、履行中の取り組み姿勢や法令順守などの減点がない場合の最下点として「基礎点」(60点満点)を設ける。基礎点に加え、評価の度合いで加点要素と減点要素がある「評価点」(40点満点)を設定する。
基礎点によって、評価項目を集約することで採点者の負担軽減を図る。新たな評価項目として、各業務の制約条件や特殊性に応じた「業務特性」の項目も追加する。各評価者(主任調査員、総括調査員、完了検査官)ごとの配点も見直す。
各項目に評価基準がなく、評価者によってばらつきがあるとの指摘もあることから、採点者用の評価基準も設ける。採点者が判断に迷うケースなどで評価対象・基準を明確にすることで、採点の均一性を保つとしている。
同省では、成績評定要領の改定案をホームページに掲載し、受注者らに周知する。今夏に開く「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」で了承されれば、下半期の早い段階で成績評定要領を改定する。改定後の要領は、18年度以降に完了する業務から適用する方針。17年度に契約する業務でも、18年度に完了する業務は適用対象となる。
提供:建通新聞社