日本電設工業協会(電設協、山口学会長)は、2017年度事業計画を決めた。新アクションプランの2年目に当たることから、プランが掲げる「担い手の育成及び確保&生産性向上」「適正な工期・適正な価格での受注の確保」「電力新時代への対応」「分離発注の促進」「国際貢献・海外展開」―の五つのアクションに取り組む一方、戦略的情報発信力を強化し、電気設備業の生産性革命につなげていく考えだ。
このうち「担い手の育成及び確保(人材確保・育成)」については、政府が政策目標の一つとして掲げる「働き方改革」を踏まえ、登録電気工事基幹技能者の社会的地位の向上に向け、▽工事現場への配置の義務化▽総合評価落札方式での加点評価―などを発注者などに働き掛ける。
懸案の一つでもある若年者の入職を促進するための広報戦略の一環として、ホームページに「電気設備業界就職情報ポータルサイト」を開設する。 国土交通省が推進している「建設キャリアアップシステム」の開発にも1000万円を出損し、同運営協議会(仮称)にも参画する。
また、大手会員企業の教育・研修施設を活用した実技講習会を継続して実施するとともに、電設協が独自に創設している「インターンシップ推進助成金制度」を活用して中小企業会員が行うインターンシップを助成し、入職促進のための活動を支援する。
さらに、電気設備業界を魅力ある産業とするためにも欠かせない「働き方改革」も進めていく。
改正公共工事品質確保法に明確化された「発注者の責務」についても考察し、「週休2日制を踏まえた適切な工期設定」「設計図書における施工条件の明示や適切な設計図書の変更」―などの課題を調査、研究し、関係機関に制度改正のための提言を行う。
電設協にとって、長年の命題となっている(発注機関の)「分離発注」導入をさらに拡大するため、ライフサイクルコスト(LCC)の評価や、分離発注の優位性についての調査研究も行う。本部・支部・都道府県協会が連携して「分離発注促進キャンペーン」などの要請活動も展開する。
提供:建通新聞社