国土交通省は、下請け企業などの連鎖倒産を防止する「下請債権保全支援事業」を2018年3月末まで1年間延長することを決めた。下請け企業などが負担する債権保全の保証料への助成率、ファクタリング会社に対する損失保証割合などに変更はない。
下請債権保全支援事業は、下請けなどが保有する売掛債権の支払いについて、国がファクタリング(債権買い取り)会社に保証料の一部を助成し、元請けが倒産した場合でも下請け代金を保全する。
毎年この時期に事業を延長するか判断することになっており、3月24日までに17年度末まで事業を延長することを決めた。昨年度に事業の延長を決めた際には、下請け企業が負担する保証料とファクタリング会社に対する損失保証を引き下げたが、今回の延長に当たり保証料に対する助成率などの変更はしなかった。
15年度の同事業の実績は8639件・630億円で、1件当たりの債権保全の平均額は611万円。企業倒産が大幅に減少するなど、建設業を取り巻く市況の回復により、利用実績は13年度をピークに減少している。
提供:建通新聞社