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2017/03/24

土木分野の木材利用拡大で提言 土木学会ら

 土木学会(田代民治会長)、日本森林学会(中村太士会長)、日本木材学会(鮫島正浩会長)―の3学会で構成する「土木における木材の利用に関する横断的研究会」(委員長、今村祐嗣京都大学名誉教授)は、土木分野での木材利用の拡大に向けた技術開発への支援と利用機会の創出などから成る第2次提言書をまとめた。22日には林野庁の今井敏長官と、国土交通省の五道仁実官房技術審議官に提言書を手渡し、両省の理解と協力を求めた。
 提言の柱は五つ。地球温暖化の緩和と林業の再生、持続可能な建設産業を目指す必要があるとして、▽土木分野における木材利用量の把握▽技術開発の支援と利用機会の創出▽環境負荷低減に資する木材利用の推進▽産官学連携の推進▽木材と環境に関する人材育成と利用技術の周知―に取り組むことを、林野庁や国交省など関係省庁に求めた。
 提言は、木材利用の効果を定量的に把握し、将来予測を立てるためにも、国内の土木分野での木材利用量を把握することが急務だと指摘。
 その一方で、「木材が川上から川下へ安定的に流れてこそ、利用量が拡大する」として、川上から川下までを考えた支援と、そうした流れを生み出すシステムを構築する必要性を強調した。
 工法や設計法に関する基準類の整備については、産官学の連携によって、実際の現場で有用になる基準にするよう促した。また、木材製品による炭素貯蔵量が世界的に増加傾向にあると指摘。地盤改良などへの活用による炭素貯蔵効果を評価する手法の必要性を説いた。
 さらに、日本は多くの森林資源を有する世界有数の森林国家だと指摘し、木材利用技術の輸出など、海外ネットワークの形成が必要だとした。

提供:建通新聞社