2017/03/16
インタビュー・五道技術審議官 働き方改革・生産性革命に意欲
低入札基準と積算基準「狙いは働き方改革と生産性向上」
国土交通省の五道仁実大臣官房技術審議官が、低入札価格調査基準と土木工事積算基準の見直しを受け、建設専門紙の共同インタビューに応じた。五道審議官は見直しの狙いを「建設産業の働き方改革と生産性革命を実現することを目指したもの」と説明。「建設業が地域の守り手としての役割を果たせるよう、継続的に改善に取り組みたい」との考えを示した。
低入札価格調査基準は、工事で直接工事費に含まれる労務費の算入率を100%、測量業務の諸経費、土木コンサルタント業務の一般管理費等の算入率をそれぞれ48%に引き上げた。
五道審議官は、現在の建設産業が抱える担い手不足という問題を解消し「地域の守り手としての重要な役割を将来にわたって担う力を身に付けてほしい」と発言。その上で「企業が健全に経営できる適正な利益が確保されれば、従業員に適正な給与を支払うことができる」と述べ、低入札価格調査基準引き上げに、働き方改革や技能労働者などの処遇改善を後押しする狙いがあると説明した。
積算基準にICT土工に続き、「ICT舗装工」の基準が新たに位置付けられたことについては、建設生産プロセス全体にICTを活用する工種を拡大することで「今の仕事の中身を変え、建設現場の生産性を高めてほしい」と話した。さらに、ICT土工の現在の積算基準についても「現場の声を検証し、発注者として改善していく姿勢は重要だ」と指摘し、現場に受け入れられる積算基準づくりに意欲を見せた。