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2017/03/21

「災害復旧支援業務」パッケージ化を提言

 国土交通省が設置した有識者懇談会は、災害発生時の市町村支援を強化するよう求める提言をまとめ、3月17日に同省の山田邦博水管理・国土保全局長に手交した。提言では、災害査定や復旧工事の工事監理などの補助業務をパッケージ化した「災害復旧支援業務」を民間事業者が担う仕組みを国がつくり、市町村の災害対応を迅速化することなどを求めてた。
 懇談会の座長を務めた田中淳東京大学教授は「避難所運営、物資調達、復旧復興の一連のプロセスは市町村だけで担うのは難しい。防災行政の来年度のキーワードを市町村支援にしてほしい」と訴えた。国交省の山田局長は、提言を踏まえ「国、自治体、民間事業者が総力を挙げて災害に対応できる体制をつくりたい」と応じた。
 提言では、技術職員の減少で災害対応力が急速に弱まっている市町村に対し、国に初動対応から災害復旧までの総合的な支援を求めている。
 具体的には、現在は市町村自らが行っている▽測量設計の業務管理▽査定設計書作成▽災害査定▽入札契約▽工事監理▽完成検査―などを災害復旧事業支援業務としてパッケージ化し、民間事業者が一貫して補助できる仕組みを構築するよう要請した。
 この他、市町村が災害復旧に当たる建設業者を円滑に確保できるよう、地方整備局・都道府県・政令市と建設業団体が締結している包括協定の効果を市町村に拡大することも提案。国交省は、市町村の依頼を受けた地整が、協定を結ぶ建設業団体の中から災害対応に当たる企業を推薦することを検討する。
 同省は、提言に記載されたこれらの対策を市町村に周知するため、2017年度の早い時期に事例集をまとめる方針だ。

提供:建通新聞社