国土交通省は3月7日、建設現場へのICTの全面的活用を産学官で話し合うICT導入協議会を開き、2017年度から直轄事業で「ICT舗装工」を発注する方針を固めた。17年度は第1段階として路盤工を対象とし、レーザースキャナーを事前測量や出来形管理に活用するとともに、3次元設計データなどで自動制御したICTグレーダを施工に活用する。当面は新設舗装工事を対象とし、1万平方b以上の路盤工を含む本官発注は「発注者指定型」とする。同省は関連する10の技術基準類を新設・改定するとともに、積算基準も従来施工の1・1倍となるよう見直す。
i−Constructionのトップランナー施策であるICTの全面的な活用に向け、土工に続き、舗装工に工種を拡大する。17年度は第1段階として路盤工を対象にスタートし、第2・第3段階でアスファルト舗装工や切削オーバーレイなどへの適用を目指す。
さらに、第1段階でレーザースキャナーで取得した点群データを蓄積し、第2段階で非破壊計測技術などの導入による品質管理の効率化、長期性能の面管理なども図れるよう、研究開発も進める。
路盤工を対象とする第1段階では、事前測量として、レーザースキャナーによる短時間で面的な3次元測量を実施し、3次元設計データと事前測量結果の差から施工量を自動算出する。施工段階では、路盤工における不陸整正と敷均しに使用するグレーダとブルドーザーにMC(マシンコントロール)を適用する。
出来形管理にはレーザースキャナーを導入するが、事前測量と表層以外の中間層には従来手法も選択できるようにする。検査にもレーザースキャナーなどの計測結果を活用するため、管理帳票など出来形の書類も半減する。
17年度のICT舗装工の発注方針はICT土工とほぼ同様で、具体的には▽発注者指定型(1万平方b以上の路盤工を含む本官発注)▽施工者希望T型(1万平方b以上の路盤工を含む分任官発注)▽施工者希望U型(1万平方b未満の路盤工を含む分任官発注)―とする。総合評価方式や工事成績での加点措置も講じる。
ICT舗装工の積算には、ICT機器のリース料(従来施工からの増加分)、ICT建機の初期導入経費などを上乗せし、工事費を従来施工の1・1倍程度とする。
提供:建通新聞社