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2017/03/07

浚渫工 ICT活用工事で実施方針

 国土交通省は、直轄の浚渫工で2017年度から試行するICT活用工事の実施方針案をまとめた。浚渫工のICT活用工事は、マルチビームなどを活用した3次元起工測量、3次元数量計算、3次元出来形測量、3次元データの納品を実施する工事とし、発注方式は「発注者指定型」と「施工者希望型」の2類型。港湾工事では、17年度から係留・外郭施設でもICT活用のモデル工事を実施する方針だ。
 3月6日に開いた「港湾におけるICT導入検討委員会」で、浚渫工にICTを導入する際の実施方針案と新基準案を示した。浚渫工では、マルチビーム音響測探機を使った水深測量で3次元現況図を作成し、浚渫土量を算出。施工時の出来形管理や竣工検査にも3次元データを活用し、現場の生産性向上につなげる。
 実施方針案には、浚渫工のICT活用工事の対象工種や発注方式などを定める。対象工種は▽ポンプ浚渫工▽グラブ浚渫工▽硬土盤浚渫工▽岩盤浚渫工▽バックホウ浚渫工―で、入札公告・説明書や特記仕様書にICT活用工事であることを明記する。
 発注方式は、発注者指定型と施工者希望型の2類型。発注者指定型では、別途定める積算要領に基づき、マルチビーム測量や共通仮設費の上乗せ分を当初設計に計上する。施工者希望型では、受注者が希望する際にICTを活用。入札段階でも、総合評価方式で加点措置を講じる。必要経費は当初契約後に設計変更で計上する。いずれの類型でもICTを活用した際に工事成績を加点する。
 国交省は、港湾工事でのICT活用第2弾として、外郭・係留施設のICT活用のモデル工事も17年度から実施する。モデル工事の成果を踏まえて基準を検討し、18年度以降に試行をスタートさせる。港湾工事の他工種と共通で、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルの作成仕様も検討する。

提供:建通新聞社