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2017/02/28

法定福利費明示見積書 作成手順に「簡易版」

 国土交通省は、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順の「簡易版」をまとめた。社会保険料の原資である法定福利費のベースとなる労務費の算出方法の他、労務費に社会保険料率を乗じる法定福利費算出のポイントを元請け・下請け企業に分かりやすく解説している。簡易版は、2月28日から国交省土地・建設産業局ホームページ(http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000080.html)で公開する。
 作成手順(簡易版)は、2016年11月から今年1月まで全国10会場で開催した「中小建設業者のための法定福利費セミナー」の教材を再編集したもの。セミナーには、元請け、1次下請け、2次下請けなどから合計1009人が参加し、法定福利費算出のポイントなどを学んだ。
 法定福利費を内訳明示した見積書は、トン単価や平米単価による見積もりが一般的で、法定福利費の扱いが明確でない建設工事の見積書と異なり、法定福利費を見積もりの内訳として明示したもの。社会保険加入の原資となる法定福利費が元下間で適正に流れるよう、13年から活用が始まった。
 簡易版ではまず、この法定福利費のベースとなる労務費の算出方法を解説。労務費は、作業内容に応じて人工数に平均日額を乗じて計算。人工数が不明なケースでは、標準的な歩掛りから人工数を割り出す。また、自社の平均的な労務費の比率を工事費に乗じる方法も有効だとしている。
 法定福利費は、この労務費に法定保険料率を乗じて算出する。保険料率は、雇用保険を厚生労働省HP、健康保険と介護保険(40〜60歳)を日本年金機構HP、厚生年金保険と子ども・子育て拠出金を全国健康保険協会HPで公開している。
 国交省HPには、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順をより詳細に解説した「詳細版」も掲載。また、全国社会保険労務士会連合会の協力による無料の電話相談窓口も開設している。

提供:建通新聞社