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2017/02/28

無電柱化 自治体のイニシアチブ必要

 国土交通省が2月27日に開いた「無電柱化推進のあり方検討委員会」で、電気事業連合会(電事連)は、無電柱化を進める際の地上機器(変圧器など)の設置について、電力会社だけで地域住民の理解を得るのは困難だとして、地方自治体がイニシアチブを発揮する必要性を指摘した。電線類の地中化工事の作業効率を向上させるため、常設の作業帯を確保することも提案した。
 検討委は、昨年12月に無電柱化推進法が成立したことを受け、無電柱化を推進するための短期的施策を今春、中長期的施策を春以降に提言する。27日の会合では関係者へのヒアリングを行った。
 この中で電事連は、会員である電力会社が1986年度策定の第1期無電柱化計画以降、累計で約9万6000`(2015年度末実績)に及ぶ整備実績があると説明。電線管理者の負担が費用全体の約3分の1を占める無電柱化の建設費は、従来の架空設備に比べ10倍以上になるとコスト面の課題も報告した。
 電力各社は、コスト削減に向けた技術開発も進めている。例えば、地上機器の設置が困難な狭い道路では、街路灯柱体などにトランスを設置する手法で無電柱を実現。機械化による手掘り作業の削減、地上機器のコンパクト化なども検討中だ。
 ただ、電事連では、総論としては賛成しつつも、自宅前に地上機器を設置されることに反対する地域住民も多く「1事業者である電力会社のみで地域住民の理解を得るのは困難」と説明。自治体主導で地域住民に情報提供する重要性を訴えた。
 また、作業効率を向上させるため、常設作業帯の設置を検討していることも報告。電柱の新設を禁止する占用制限を開始する路線では、国・自治体との負担割合を再考する必要性も指摘した。

提供:建通新聞社