トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2017/02/17

既存施設を徹底活用 新フルプランへ基本的考え

国土交通省は、新たな「水資源開発基本計画(フルプラン)」の在り方について基本的な考えをまとめた。大規模災害やインフラの老朽化といった、水供給を巡るリスクなどに対応するため、「既存施設の徹底活用」と「ハード・ソフト施策の連携」を進める内容。このうち既存施設については、送水管路の二重化、施設の耐震対策・老朽化対策などを講じるべきとしている。2月16日の国土審議会水資源開発分科会調査企画部会で明らかにした。
 フルプランは、水資源の総合的開発や利用の合理化、供給目標を達成するためにダムなど必要な施設建設の在り方などを示したもの。現在、利根川・荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川の7水系で計画が策定されている。
 今回示された新たなフルプランの在り方(原案)では、大規模災害や危機的な渇水が発生した際に最低限必要な水の確保と、水インフラの老朽化対策をポイントに掲げた。供給力の増強を目指してきた従来の考え方を抜本的に見直すものだ。
 最低限必要な水の確保に向けては、既存施設の徹底活用策として、▽送水管路の二重化▽連絡管の整備▽施設の耐震対策▽施設の維持補修・老朽化対策▽ダム群連携―などのハード施策を挙げた。これらに、BCP(事業継続計画)や長寿命計画の策定といったソフト施策を組み合わせることで、さまざまなリスクへの対応を可能とする。
 また、都市計画など各種手続きを簡素化した上での機動的な長寿命化対策の必要性を指摘。各改築事業を個別掲上していた従来の在り方を改め、今後予定される改築事業群を包括掲上すべきとした。
 新たなフルプランの在り方は、国土審議会水資源開発分科会調査企画部会で検討が進んでいる。部会での審議を経た3月の分科会では、在り方に関する答申がまとめられる予定。その後、速やかに各水系のフルプランの見直し作業が行われる。

提供:建通新聞社