国土交通省は2月9日、社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会を開き、踏切対策や道路のユニバーサルデザイン化について有識者と意見を交わした。踏切対策では、連続立体交差事業の長期化を解消するため、着工準備段階(詳細設計など)に地方自治体を集中的に支援する補助制度を創設する他、カラー舗装や自由通路の整備など、即効性のある対策を講じる方針を示した。
連続立体交差事業は、事業が完了し、踏切が除却されるまでに長い期間と多額の費用が必要になる。2007〜09年度に完了した連立事業では工事期間が平均16年、全体事業費が平均600億円に上る。
事業が長期化すれば、いわゆる“開かずの踏切”の解消が遅れ、安全性・利便性が低下した状態も長期化。仮線や仮設構造物の設置期間が延長されると、事業費も膨らむことになる。
国交省は、17年度に連立事業の着工準備段階を対象とする補助制度を創設する。現在も計画段階(基本設計)に対する補助制度はあるが、着工準備段階にある自治体を支援する個別の補助制度を設けることで、準備段階での綿密な協議・調整を後押しし、着工後の連立事業が円滑に進むようにする。
さらに、連立事業などの抜本的な対策に着手する前に、踏切のカラー舗装による歩車分離、駅舎への自由通路整備などに着手することを促し、対策の効果が段階的に発揮されるようにする。
一方、20年東京五輪に合わせて主要鉄道駅のユニバーサルデザイン化が進むことに合わせ、主要鉄道駅と周辺の生活関連施設を結ぶ道路のユニバーサルデザイン化を重点的にサポートする。優先的に整備する箇所を指定した上で、道路管理者が行う歩道拡幅や無電柱化、歩車道の段差解消などを支援する。
提供:建通新聞社