国土交通省は、ICTを活用して下水道管路内の情報をリアルタイムに収集できる「浸水対策施設運用支援システム」の導入ガイドラインをまとめた。管路内に敷設した下水道光ファイバーなどの個別技術をICTで統合し、システムで得られた情報を基にポンプ場を運用、浸水被害の軽減につなげる。実証フィールドでは、浸水面積を約14%削減できることを確認したという。
システムは、NJS、広島市、日本ヒューム、日本下水道光ファイバー技術協会が共同で開発。国交省の下水道革新的技術実証事業(B−DASHプロジェクト)で、14年度から実証試験を行っていた。
排水ポンプなどの浸水対策施設が整備された排水区を対象に、光給電カメラや光雨量計などを下水道光ファイバーでつなぎ、雨量や下水道管路内水位などの情報をリアルタイムに収集できるようにした。下水道管理者がいち早く浸水状況を把握できるため、ポンプ場の運転開始を早め、浸水面積を削減することができる。
国交省は今回、システムを下水道管理者が導入する際のガイドラインを策定した。ICTの活用で下水道事業の生産性を高める「i−Gesuido」の一環として、活用を促す。
提供:建通新聞社