国土交通省は2月7日、中小・中堅建設企業や建設業団体による技能労働者の職業訓練を支援する「技能労働者の戦略的確保・育成支援事業」の重点支援対象案件を選んだ。対象案件7件のうち3件が、i−Construction関連の技能者・技術者の育成に関連するもの。対象案件には、上限300万円をめどに事業費を支援する。
事業は、技能労働者を確保・育成するモデル性の高い取り組みを支援するもので、政府の第2次補正予算で予算を措置した。支援対象は中小・中堅建設企業でつくる連携体の他、建設業団体や職業訓練機関など。
重点支援対象のうち、i−Con関連では、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を運営する全国建設産業教育訓練協会(才賀清二郎会長)が、UAV技能者育成コースを開設し、3次元起工測量と3次元設計データ作成を手掛ける技能者・技術者の教育訓練に乗り出す。
日本機械土工協会(向井敏雄会長)は、ICT土工に関する標準カリキュラムを作成。建機レンタル・販売のキナン(和歌山県)などがつくる連携体は、ICT建機による施工、3次元出来形管理、3次元データの納品に関する教育訓練実習を実施する。
この他、長野県建設業協会は、豪雪地域の熟練オペレーターを講師として、降雪の少ない地域のオペレーターに教育訓練を実施。他地域の応援がなくても除雪に対応できる体制を整える。マンション計画修繕施工協会(坂倉徹会長)は、塗装・シーリング・防水改修工事の技能を身に付けた多能工を育成するため、教育訓練のカリキュラムとテキストを作成する。
昨年10月、高松市に開校した職人育成塾(岡村真史代表理事)は、資材メーカーと職業能力開発大学校の協力で、より短期間で即戦力となる内装工を育成するカリキュラムをつくる。首藤造園(大分県)などがつくる「地域のHOKORIプロジェクト(仮称)」は、定時制高校の生徒に地域で学びながら働ける場を提供、将来の担い手確保につなげる。
提供:建通新聞社